あらすじ
空は広い。だが、動いていない。
真斗は夜空を見ていた。
星はある。瞬いているはずだが、ここからは分からない。
風は弱い。弱すぎて、頬に触れているのかどうか曖昧だ。
動いていない。空ではなく、自分が。
真斗は目を細める。
遠い光。何億年も前に放たれた光が、今ここに届く。
それだけの距離を進んできたのに、自分は今日、どこへも進んでいない。
そのとき、視界の端で光が揺れた。
星ではない。
一度、強く光り、わずかに軌道を変える。
落ちてくる。
静かに、ただ落ちる。
空が動いた。
真斗は立ち上がる。心臓が早い。理由はない。ただ、動いている。
止まらない。空が動いた。
そして、たぶん、自分も