あらすじ
すべての島が空に浮かぶ世界。
郵便配達員アルトは、小さな蒸気飛行艇で島々を巡り、人々の手紙を運んで暮らしていた。
恋文。別れの手紙。まだ会ったことのない誰かへの言葉。
そんな手紙を配りながら、彼はときどき寄り道をする。
猫たちが住む名もない遺跡の島、シタデルへ。
ところがある日、アルトは奇妙な手紙を見つける。
宛先のない封筒。
差出人のない手紙。
ただ一行だけ、こう書かれていた。
「まだ届いていない人へ」
やがて彼は知ることになる。
この世界には、
届かなかった手紙が集まる場所があることを。
そして——
空に浮かぶ島々は、
人の想いによって支えられているということを。
猫と郵便配達員が辿る、
静かでやさしい空の旅。
これは、世界でいちばん遠い宛先へ向かう手紙の物語。