あらすじ
東京の街には、誰も気づかない小さな「違和感」がある。
昨日より少しだけ動いた自動販売機。深夜にだけ現れる足跡。閉店したはずの店のシャッターに増え続ける傷。
それらを記録する奇妙な仕事があった。
――「違和感収集家」。
主人公は、散歩をしながら街の小さな異変を写真に撮り、レポートとして送るだけの簡単なアルバイトを始める。
ただ一つのルールは、「違和感に触れてはいけない」こと。
ある日、主人公は公園のベンチに置かれた赤いマフラーを見つける。
何日経っても動かないそのマフラーを観察しているうちに、少しずつ“伸びている”ことに気づく。
やがてマフラーは地面を這うように伸び、街の中へと続いていく。
まるで、どこかへ向かっているかのように。
調査を続ける主人公は知ることになる。
東京の違和感は、偶然そこにあるのではない。
それらはすべて、静かに――
**ある場所へ集まり続けている。**
これは、巨大な都市の中で誰にも知られず動き続ける「違和感」を追いかける、一人の観察者の記録である。