あらすじ
弥生時代と呼ばれる時代、邪馬台国というひとつの大国があった。
その女王の名は、卑弥呼。鬼道と呼ばれる摩訶不思議な術を以て、この大国をその腕ひとつで治めていた。
彼女は人に会うことをしなかった。会えるのはただひとり、この国の実質的な指揮を任された、卑弥呼の実の弟のみとされている。
しかし、その例に外れ、ひとりだけ、卑弥呼と会うことができた人物がいた。その男の名は、依彦という。
彼は真に純粋であり、卑弥呼に対しても、媚びへつらうことも、おそれおののくこともなかった。
その依彦が親友である紫多羅とともに、国の外れにある一軒の小屋へ赴くことになった。
そこには、霊が棲んでいると専らの噂である。
ある春の日、依彦、紫多羅、そして国の姫である呼都媛の三人が、ついにその地へ向かうのだった。
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