あらすじ
家賃三万八千円の「事故物件」に入居した景司。告知事項は「三年前の孤独死」だけだった。だが深夜、開かずの部屋から響く犬の鳴き声、落ちている錆びたナイフ、不気味な「でていけ」のメモが彼を追い詰める。やがて判明するのは、亡くなった男が友人の保証人となり裏切られ、絶望の末に命を絶ったという真実だった。遺された犬の霊は怒りではなく、真実を伝える者を待っていたのだ。景司は録音データと遺書を手がかりに告発を決意する。怪異はやがて静まり、犬と男の影は解放される。事故物件とは何か、それは死の跡ではなく、忘却と無関心が生む闇であると気づく物語。