あらすじ
六本木の高層ビル30階。
明日から始まる大規模展覧会の会場で、アーティストである“僕”は、自身の作品が街を見下ろして飾られている光景を眺めていた。
作品は、立方体の中に山脈と山頂を配したジオラマ。頂には男女が並んで立っている。
そのモチーフは、かつて恋人と共に登った山だ。
“僕”はアーティストとしては芽が出ず、夜は水商売で働きながら生計を立てていた。
そんな中、ひとりの女性客が、誰よりも真剣に僕の作品に耳を傾け、理解しようとしてくれた。
やがて二人は恋人となり、彼女の存在は僕の創作の唯一の支えとなる。
しかし、彼女の父の死をきっかけに、二人は彼女の父の追悼として険しい山・帰不峠に挑む。
天候の急変、猛吹雪、そして――