あらすじ
五年前、たった一言で壊してしまった――大切な幼馴染みとの関係を。
病み上がりの高校生・篠塚治希は、母の不在をきっかけに、かつて絶交した幼馴染み・海藤律と再び生活を共にすることになる。
明るく人気者の律と、孤立気味の治希。あまりにも違ってしまった距離に、治希は戸惑いながらも、かつての想いを捨てきれずにいた。
しかし律は、過去と同じように優しく接しながらも、どこか一線を引いたまま。
――自分は、彼にとってもう「関係ない存在」なのだと、治希は思い知らされていく。
それでも離れられない。
忘れたはずの初恋は、再会によって静かに、そして歪に蘇っていく。
一方で律もまた、五年前から変わらない感情を胸に抱えていた。
それは友情と呼ぶにはあまりにも重く、そして――危ういものだった。
すれ違い続ける二人の想いが辿り着く先は、
再生か、それとも破滅か。
これは、幼馴染みという関係に囚われたまま大人になれなかった、二人の物語。