あらすじ
王太子エドガルドの婚約者である公爵令嬢アルシェラ・ヴァルディア。
だがある日、王太子は彼女を遠ざけ、代わりに義妹ノエリアを伴うようになる。
やがて社交界ではこう囁かれ始めた。
「王太子はアルシェラとの婚約を破棄するつもりらしい」と。
しかし――
アルシェラは慌てることも、泣くこともなかった。
「婚約破棄?どうぞご自由に」
そう微笑む彼女の手には、王家とヴァルディア家が結んだ正式な婚約契約書があった。
その契約には一つの条項がある。
王家が婚約を破棄する場合、違約金は“王国北方防衛費十年分”。
つまり、国家財政すら揺るがす巨額の賠償金。
そして春の王宮舞踏会――
王太子は満場の貴族の前で婚約破棄を宣言する。
だがその瞬間、アルシェラは契約書を掲げた。
「婚約破棄はご自由に。ただし契約は守ってくださいませ」
王太子、義妹、そして王家を巻き込んだ
社交界最大の公開逆転劇が幕を開ける。
これは、静かな公爵令嬢が
契約一枚で王太子の“真実の愛”を叩き潰す物語。