あらすじ
白い髪に赤い目。
その特異な見た目から、村で迫害を受けていた少女、セラ。
ある日、彼女は前世の記憶を思い出す。
それは、日本で生きていた記憶。
前世と、今世の孤児として生きてきた10年の記憶。
この2つが混ざり合ったとき、彼女は本当の望みを自覚する。
――愛されたい。
幼いセラの切実な願い。
だが、ただ願うだけでは何も変わらない。
勇者の隣なんて望まない。
欲しいのは、面倒のない立場と穏やかな生活。
自分を愛し、自分が愛せる相手と、静かに暮らせる未来。
どうせなら、セラにとっても、私にとっても、最高の“幸せ”を。
そのために、自分の価値を正しく使う。
自らを磨き、演じ、利用する。
しかし、その矢先――。
――この世界は“かつて見た物語の舞台”かもしれない。
そんな可能性が過ぎる。
物語の詳細は、よく覚えていない。
分かるのは、序盤で主人公の村が魔物の襲撃を受けること。
主人公が、“聖女の力を持たない聖女”だということ。
そしてこの村には、その主人公に酷似した人物がいた。
曖昧な前世の記憶を手繰り寄せながら、彼女は自らの幸福を掴むため、着実に選択を重ねていく。
これは、打算的で面倒を嫌う女の子が、理想の幸せを手に入れるまでの物語。