あらすじ
登場人物一覧
マディソン
王都移住管理局の実働責任者。朝のうちに大量の申請を片づけ、迷子の靴も引っ越し先の台所も見に行く。誰かの明日のために予定を崩して走るが、自分の願いだけは後回しにしている。
イラビモビッチ
王都移住管理局の調整係。怒鳴り合いの間に入り、書類と人間関係のもつれをほどくのが仕事。消えかけた記録の違和感を読み取る力があり、マディソンの寄り道に巻き込まれながらも、少しずつ彼女の隣へ踏み込んでいく。
タリア
宿場町の食堂兼案内所を手伝う娘。初対面でも遠慮なく言うが、沈んだ空気を見ると黙っていられない。無理を重ねるマディソンを真正面から叱り、旅の空気を前へ押す。
フレウリー
橋や街道を直す修復士。壊れたものを一歩ずつ使える形に戻していく職人で、派手さはないが頼もしい。崩れかけた道にも足場を作り、六人が進むための現実の支えになる。
ダウフ
放浪楽士。イラビモビッチの幼なじみで、大嫌いな親友。軽口で場をかき回す一方、誰かが言えなかった本音を歌や冗談に変えて外へ出せる。過去の失敗を抱えたまま、それでも役に立とうともがく。
セージ
薬師見習い。段取りどおりに進めるのは苦手だが、予定が崩れた現場では真っ先に動く。失敗しても立ち止まらず、その寄り道が思わぬ道を開く。
空に裂け目が走り、町や街道が白紙のように消え始めた世界。六十日後の最終移住式までに、住民は最後に住む町を選ばなければならない。
王都移住管理局の調整係イラビモビッチは、朝のうちに大量の申請をさばき、泣く子の忘れ物まで拾いに走る実働責任者マディソンと組むことになる。だが彼女は業務の合間に、人の「どうしても欲しかったもの」に反応して現れる“未完の地図”の欠片を集めていた。
終わる場所ではなく、続く場所を探したい。そんな彼女の寄り道に巻き込まれ、イラビモビッチと五人の仲間は、白紙化した世界の縁へ旅立つ。市場、祭り、劇場、消された故郷。小さな願いを拾い集めるうちに、六人は世界の終わりの正体と、マディソンがずっと後回しにしてきた願いへたどり着く。