あらすじ
2026年3月8日、午後3時。
「今日の深夜0時をもって、地球上のすべてのインターネット回線が物理的に遮断される」
突然の世界的アナウンスにより、現実世界はパニックと略奪の地獄絵図と化した。電子決済は死に、物流は止まり、人々は混乱の渦に呑まれていく。
そんな中、冷え込む札幌のアパートで主人公が見つめていたのは、巨大匿名掲示板のひとつのスレッドだった。
動画サイトも、華やかなSNSも、アクセス過多で次々と崩壊していく中。最後に生き残ったのは、かつて「便所の落書き」と揶揄された文字だけの世界だった。
「最後くらい、お前らとバカ話して終わりたいわ」
顔も、本名も、年齢も知らない。二度と交わることのない「名無し」たちが、不器用な言葉で最後の焚き火を囲む。
これは、人類が築き上げた広大な電脳世界が、静かに息を引き取るまでのカウントダウン。