あらすじ
無実の疑いで学会を追放され、人間に、社会に絶望した元天才研究者・ノルン。
白衣の魔王と恐れられる彼は、ある日奴隷市場で一人の獣人少女と出会う。
ボロボロの姿で閉じ込められた彼女を見た瞬間――
ノルンは確信した。
「やっと見つけた、ずっと待っていた」と。
彼女は、前世で愛した妻の生まれ変わりだった。
でも世界は残酷で。彼女は記憶も、人格も失ってしまっていた。
妻にもう一度会うために、ノルンはある決意をする。
自分の屋敷に住まわせて……自分の研究で、妻の記憶を呼び覚ますと。
彼女は奴隷だ。妻をよみがえらせる為の実験台に過ぎない。
なのに、奴隷として虐げられ、心を閉ざしていた彼女は。
ノルンの優しさに触れ、少しずつ笑顔を取り戻していく。
そしてノルンも、彼女の献身さのあまり実験に手がつかなくて。
「お前は俺のメイドで、実験台だと言ったな。でも……」
「私の全ては、ご主人様のものです。耳の先から、足の指まで、すべて。だから……」
奴隷として献身的に尽くす、健気な獣人メイド兼実験台。
自分なりに彼女を大切に想うあまり、彼女を実験台にすることができない孤独な元大賢者。
「お前は俺の実験台だ、研究に付き合え」
「あのー、これが本当に実験になるんですか?」
(ただ研究者らしく、研究に没頭するべきなのに。俺は一体何を)
それもそのはず、ノルンには誰にも言えない秘密があった。
一つは、彼女への感情の変化。
もう一つは――
実験と称して、美味しいものを食べさせたり、おしゃれをさせたり。
ノルンの研究は、彼女を引き取ってからは空回りするばかり。
前世の妻に出会うはずが、いつの間にか奴隷の彼女を幸せにすることになってしまっていたラブコメ。