あらすじ
未練を残して死んだ人間の魂が怪異化した存在、ゴースト。彼らを狩るのは特殊治安管理局の職員、通称〝ゴーストクリーナー〟。ゴーストクリーナーは犬の身体能力を組み込まれた超人である追跡官と、追跡官に指示を出すハンドラーの二人でバディを組んで行動する。
東雲と溯春は最近バディとなり、協力してゴーストを狩る日々を送っていた。しかしながら元囚人である溯春は他者に一切思いやりを持っておらず、心優しい東雲が歩み寄ろうとするも、一切心を開かない。
ある時、二人の前にゴーストしか持ち得ない異能を持った少女が現れる。彼女はその異能を使い、自殺に見せかけ多くの人間を殺害していた。
溯春は少女のような存在を〝生の亡者〟と呼ぶのだと知っており、彼らを処分するべきだと断言する。しかし少女は間違いなく生きた人間。更に彼女は〝パパ〟という信頼している人物の望みを叶えているだけだという。
東雲は少女を殺害という形で処分しようとする溯春を止める。二人の意見は対立するが、この時は結局、溯春は〝パパ〟の正体を探るために少女を逃がした。
それからというもの、溯春は〝生の亡者〟達に異様な執着を見せるようになった。東雲が理由を尋ねるも、溯春は答えない。
だから東雲は溯春よりも先に〝パパ〟を見つけようと独自に動き出した。
溯春に犯罪行為をさせてはならない。一人で危険なことをし、命を落とすようなことがあってはならない――それは溯春の見張りを兼ねた追跡官としての責任感と、過去にバディを失った痛みを繰り返したくないがための行動。
だが、溯春に東雲の想いは伝わらない。東雲は溯春と親睦を深めようと努力するが、溯春はこれ以上踏み込むなと境界線を引く。
そんな折、単独で少女の調査を続ける東雲が何者かに襲われた。襲撃者は〝生の亡者〟だと確信する溯春。その者を追えば〝パパ〟に辿り着けると、彼は東雲に背を向け人の姿を捨てた。
溯春も〝生の亡者〟だったのだ。巨大な黒狼となった溯春は襲撃者を追い、命を奪おうとする。溯春に追いついた東雲が必死に止めるも、やはり彼の声は届かない。更には襲撃者をその仲間に奪われてしまう。
手がかりが失われたかと思われた時、二人の元に短時間で飛び降り自殺が立て続けに起こっているという報せが入った。近くに例の少女がいるはずだと、二人は彼女を探しに行く。
東雲を人質に、溯春に〝パパ〟の仲間になれと迫る少女。溯春は断り、少女の命を奪おうとする。溯春が恨むのは少女ではなく〝生の亡者〟という存在そのもの。だから彼らを根絶やしにし、そして最後は自分も消える――溯春の行動の真意を知った東雲は、決死の想いで溯春を止める。
とうとう東雲の説得に応じた溯春は少女を狙うことをやめ、犯罪者として捕まえることに同意。少女もまた彼らに下った。だがその直後、少女は〝パパ〟に殺された。そして〝パパ〟も何者かに殺害される。
全てが振り出しに戻り、溯春を心配する東雲。しかし溯春は意外にも怒りを見せなかった。手がかりを失ったならまた調べればいい――溯春が東雲を受け入れ、二人が本当のバディとなった瞬間だった。
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※本作は以下の公開済み完結作品をコンテスト向けに字数調整したものです。
『境界の咎人』
https://kakuyomu.jp/works/16818093085874610120