あらすじ
慶長五年、関ヶ原。
西軍の知将・大谷刑部少輔吉継は、友との「義」を貫き、戦場に散った。
(もし次があるならば、次は病に冒されぬ体で、最後まで義を貫きたいものだ……)
その願いは、異世界の片隅で叶うことになる。
吉継は、ラインハルト辺境伯家の嫡男、ラインハルトとして転生した。
しかし、その左顔面には宿業か、あるいは呪いか、禍々しい「黒い痣」が広がっていた。
「我が家の血を汚す忌み子よ! 今すぐ私の目の前から消せ!」
父・エドワード辺境伯に拒絶されたラインハルトは、生後間もなく、窓なき監獄「黒金の塔」へと幽閉される。
だが、塔の闇は吉継の魂を折ることはできなかった。
彼は前世の軍略を反芻し、異世界の魔力を練り上げ、孤独の中で牙を研ぎ続ける。
そんなある夜、塔に忍び込んできたのは、性別不明の謎の義賊、ミツナ。
その真っ直ぐな瞳に、ラインハルトはかつての友・石田三成の面影を見る――。
「あんたのその目……ただの閉じ込められた子供じゃないだろ?」
忌み子と蔑まれた少年と、正体不明の義賊。
時を超えて再会した二人の「義」が、腐敗した辺境、そして世界そのものを揺り動かしていく。
「義星は、闇の中でこそ最も強く輝く」
これは、世界に捨てられた知将が、再び「義」のために乱世を駆け抜ける、逆襲のファンタジー。