あらすじ
……どうやらおれは昏睡状態にあるらしい。
というのも、ここは夢の中なのだが、どれだけ時間が経っても一向に目が覚めないのだ。
むろん、夢の中に正確な時間の物差しなど存在しない。朝も昼も夜も、気分一つで唐突に入れ替わる。だが、それにしたって長すぎる。ここが夢の中だと気づいたくらいだ。同じ意識が持続している。
もう何日、あるいは何週間も経った気がする。それに、いつもなら目を閉じて強く念じれば目を覚ませるのに、今回はまったく通じない。まぶたの裏側は暗いままで、次に開けたときには見知らぬ景色に放り出されている。