あらすじ
ルーヴェルト公爵家の令嬢セレスティアは、王太子の婚約者にして、学園で“悪役令嬢”と噂される存在だった。
けれど、彼女の専属侍女クロエは知っている。
本当のセレスティアは、身分の低い者にも優しく、誰かを傷つけるくらいなら自分が悪者になることを選んでしまうほど、優しすぎるお嬢様だということを。
王太子が平民出身の特待生マリーに親しくなったことをきっかけに、学園ではセレスティアへの悪評が次々と広がっていく。
花壇荒らし、脅迫文、茶会での騒動。
このままでは、お嬢様は優しいまま“悪役令嬢”に仕立て上げられてしまう。
だからクロエは決意する。
「お嬢様が優しすぎるなら、私がその分、容赦なく守ります」
集めるのは、剣でも魔法でもない。
給仕の記録、鍵の受け渡し、使用人たちの証言。
侍女だからこそ見える事実を積み上げ、クロエは断罪の筋書きをひっくり返していく。
これは、優しすぎる悪役令嬢を、忠義深い侍女が全力で守り抜く物語。