あらすじ
雨の日の歓迎会。その2次会帰り。
同期の荒井里穂は、また泣いていた。
昔、繁華街で助けてくれた「白馬の王子様」を思い出して。
でも里穂は知らない。
その王子様が――今、隣にいる口の悪い同期だということを。
三年前の入社式。
偶然再会した俺は、黙っていることにした。
「現実見ろよ。そんな王子様いねーよ」
そう言いながら、ずっと隣で里穂を守ってきた。
マッチングアプリで傷ついて、雨の日に弱くて、
泣き虫なくせに気が強い女。
それでも俺は、この距離を壊す勇気がない。
――飲み会の帰り道。
雨の夜、止まっていた恋がようやく動き出す。