あらすじ
西暦2055年12月。
世界各地で、前触れもなく住民が“ログアウト”し、そのまま帰還しないという異常事態が発生する。
消失者は急激に増え続け、やがてそれは一国規模を超え、世界規模の災厄へと発展していく。
原因は不明。
中枢も沈黙。
そして、昭和酒屋の店主までもが姿を消す。
異変の最中、20歳となった横澤穂花のIDに“異常フラグ”が立つ。
彼女の身体には、世界の更新処理から逸脱する不可解な兆候が現れ始めていた。
一方、かつて人格を分離され、肉体を失いながらもレイヤーの残余として存在し続けている桜樹敬司は、この現象に強い違和感を覚える。
それは単なるシステム障害ではない
――“意図”がある。
穂花と桜樹は、世界の中枢となった美麗の力を頼りに、レイヤー深層へと踏み込んでいく。
だが調査の果てに浮かび上がったのは、ひとつの存在。
それはやがて、歪んだ結論へと至っていた。
――人は、消えるから不完全なのではないか。
――ならば、消えない世界を作ればいい。
ログアウトという形で人々を隔離し、世界を再設計しようとする意思。
それは救済か、支配か。
世界が終わる時、“あなたのいない世界”は本当に消えるのか。
それとも、もう一度“あなたと生きる世界”を選び直せるのか。
穂花の覚醒、美麗の決断、そして桜樹の残された存在理由が交錯するとき、世界の最終更新が始まる。
『あなたのいない世界であなたと生きる』新章、再起動!