あらすじ
伯爵家に嫁いだエレノアには、前世の記憶があった。
前世で慣れ親しんだ文房具の知識と、この世界の魔法技術を組み合わせ、彼女は“魔法の文房具”を次々と発明していく。
複写できる羽根ペン。
改ざんを防ぐインク。
学習効率を上げる魔法のノート。
その便利さは王都で評判となり、大きな利益を生み始めた。
けれど、夫も義母も欲しかったのは、彼女本人ではなく発明の利益だけ。
やがてエレノアは帳簿改ざんの冤罪を着せられ、離縁を言い渡されてしまう。
それでも彼女は取り乱さなかった。
なぜなら、発明の権利はすべて自分の名で登録済み。
商品が売れるたび、元夫側から自分へ特許料が入る仕組みを、ずっと前から整えていたからだ。
娘のリリアーナを連れ、伯爵家を去ったエレノア。
失ったのは地位と夫。
けれど手に入れたのは、娘の未来と、誰にも奪えない生活基盤だった。
これは、悪役令嬢にされるかもしれなかった娘を守るため、母が紙とペンと契約で人生をひっくり返す物語。