あらすじ

野良の子猫を拾ったことから、正樹と藍子は出会う。 子猫が保健所の「ドリームルーム」と呼ばれる処分室へ送られるのを避けるため、藍子は猫だらけの実家へその小さな命を預ける。 何度も刑務所に入った過去を持つ正樹は、いま理容師として生き直そうとしていた。藍子の部屋で暮らしながら理容コンテストに向けて腕を磨き、いつか身体の自由にならない人のもとへ出向く訪問理容をしたいと考えている。理容室のオーナー、かつての刑務官、血のつながらない母――彼の周囲には、言葉少なに支える人々がいた。 しかし、刑務所で弟のように思っていた誠也との再会が、その歩みを揺るがす。闇金の取り立て屋との揉み合いのなかで、正樹はとっさにハサミを振るい、再び鉄の扉の向こうへ送られる。 面会室で正樹は、自分のことは、もう離れてくれていい、と言う。 それでも藍子は思う。あの子猫をドリームルームに残さなかったように、正樹もまた、そこに置き去りにされてはならない。 小さな命の出会いから始まる、再生と伴走の物語。

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小説を読もう2026/03/07
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