あらすじ

毒霧に覆われた辺境の街・エルメンテス。 百年のあいだ街を蝕み続けるこの霧は、人々の体と心をむしばみ、街全体に暗い影を落としていた。 そんな街に、一人の調香師がやってくる。名はアメリア・ダグリスト。 名家に生まれ、公爵夫人に重用された実力を持ちながらも、ある日突然、父の手によって「追放」されるようにこの街に送り出された令嬢だった。 香りで人を癒やす術を持つ彼女は、初日から毅然と毒霧と街に向き合う。 壊された香炉、心を閉ざした人々、前任調香師への不信感――。 それでもアメリアはひとつずつ向き合い、香りで子供の不安を鎮め、老婦人の心に寄り添い、頑固な香炉職人の心さえも動かしてゆく。 「香りは、装飾でも武器でもない。私にとっては、人を守る“盾”――」 調香師としての誇りと信念、そして街を救いたいというまっすぐな思い。 少しずつ、街に香りが広がるように、変化の兆しが人々の心にも芽生えていく。 彼女を見守る若き領主エドワードもまた、アメリアの力強さと優しさに心動かされていくが――毒霧の正体には、まだ誰も触れていない。 これは、香りの魔法で人と街の過去に向き合い、癒し、変えていく、ひとりの調香師の物語。 やがて香りが奇跡を起こすと、誰が信じただろうか――。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/03/07
  • 現在の作品香りひとつで世界は変わる ―追放された令嬢は辺境で『調香の奇跡』を起こす―