あらすじ
刻は大正。
鬼や天狗を斬り倒す「最強の巫女」マヤ、二十九歳。
しかし彼女の人生最大の悩みは――縁談がすべて破談になることだった。
恋愛経験ゼロのまま三十路目前。
山で妖怪退治をしていたマヤの前に現れたのは、かつて日本三大妖怪の一人と恐れられた妖狐・玉藻前(たまもまえ)――その「尾が一本」。
玉藻前はマヤに告げる。
近代化と共に人々の信仰は薄れ、妖は消えゆく運命にあること。
そして妖怪たちは団結し、かつての大妖怪たちの力を復活させて、この世の転覆を企てていることを。
しかし玉藻前はその計画に反対していた。
完全に復活すれば自らの力は暴走し、世界を滅ぼしてしまう。
その前に――自分を殺してほしい。
だがマヤの関心はただ一つ。
「一年後って……私、三十路で、未婚で、無職になるってこと?」
理想の伴侶に嫁ぐため、マヤは玉藻前に頼み込む。
「私に男を虜にする方法、教えて!」
こうして始まる、最強巫女の恋愛修行。
玉藻前はかつて時の権力者たちを魅了した恋愛の天才。その指南は恋愛経験ゼロのマヤには刺激が……強すぎる!?
マヤは、伴侶が出来た暁には玉藻前を殺すことを約束する。
だがマヤは、玉藻前にどんどん心惹かれていく。
そして――
マヤの玉藻前を思う気持ちが強くなる程、世界は滅亡へと進んでいくのだった。
三十路と世界滅亡を回避するため、
人間と妖狐の奇妙な同盟が幕を開ける。