あらすじ
「わたしはお婆さんになるのに、あなたは子供のままだね」
「気になさらず。お嬢様がお婆様になられても、僕が完璧な紅茶を淹れますから」
見た目は10歳の愛らしい少年。
しかしその正体は、悠久の時を生きる不老不死の転生ハイエルフだった。
出会ったのは崩れかけた廃屋に住む没落令嬢。
前世の知識と魔法を駆使し、彼女の執事となることを決意する。
完璧で有能なエルフの執事に導かれ、怯えていた少女は瞬く間に才能を開花させ美しき当主として貴族社会に返り咲く。
大人になり、恋をして、母になり、やがて老いていく愛する主人。
一方、執事は10歳の少年の姿から何一つ変わらない。
これは永遠を生きる不老の執事が、一瞬の命を全力で輝かせる人間たちを見守り、最期を看取る物語。
何度かの別れののち、残された彼は静かに一礼する。
「ごきげんよう、お嬢様。本日の紅茶は貴女の曽祖母様が好きだった紅茶ですよ」
愛する主の血脈へ。
出会いと別れを繰り返しながら、少年執事は今日も極上の紅茶を淹れ続ける。
重みに耐えきれずに、壊れるまで……淹れ続ける。