あらすじ
目が覚めたら、異世界の英雄になっていた。
高校一年のカイシューが転生した先は、魔王が討伐されてから百日後の平和な世界。何故かこの世界の全員が俺を「魔王を倒した勇者」だと言う。
覚えがない。記憶もない。なのに石像には俺の顔が刻まれている。
しかも、共に戦った四人の仲間は全員死んでいた。
俺だけが生き残った英雄――それがこの世界での俺の立場らしい。
そして夜が明けるたびに、世界は一日ずつ過去に戻っていく。
魔王討伐から百日後。九十九日後。九十八日後。
街の飾り付けが消え、復興の跡が傷に戻り、人々の顔から笑顔が減っていく。
世界は巻き戻る。だが、俺の体だけは前に進み続ける。
昨日つけた傷は消えず、昨日覚えたことは忘れない。
やがて俺は、魔王討伐のその日に辿り着く。
石像でしか知らなかった仲間たちが、生きて隣に立つ日に。
死に方を知っている仲間と、初めましての旅が始まる。
結末から始まり、始まりへと遡る――逆さまの英雄譚。