あらすじ
『ナンバーセブン』物語紹介
【完璧な愛という名の、静かな密室】
都内、超高層マンションの7階。
外科医の夫・忠夫と、完璧な美しさを守り続ける妻・彩雨。
二人の生活は、磨き上げられたステンレスのナイフのように鋭く、冷たく、そして平穏だった。
――あの日、一通の通知が届くまでは。
【カウントダウンされる、裏切りの数】
彩雨のスマートフォンに届いたのは、『1』という数字と、見慣れない指輪の画像。
それは夫が「失くした」と嘯(うそぶ)いた、かつての愛の証。
数字は止まらない。
『2』、『3』……。
次々と暴かれる忠夫の不倫、そして如才ない微笑の裏に隠された、身の毛もよだつ「物理的な排除」の記録。
【五感が狂う、泥沼の果て】
漂い始める、安価な香水と鉄の匂い。
耳の奥で鳴り止まない、絹ずれの悲鳴。
追い詰められた彩雨の保身は、やがて純粋な「殺意」へと変質していく。
監視カメラの向こう側で、すべてを採点し続ける正体不明の『ナンバーセブン』とは誰か。
「私はまだ、あなたのすぐ後ろにいる」
7人目が現れたとき、愛の墓標は完成し、この家は美しい埋葬地へと変わる。
誰も救われない。誰も愛さない。
残るのは、冷たいコンクリートの上に横たわる、三つの「物体」だけ。