あらすじ

名門・帝凰学園への入学を目前に控えた少年・東条鈴。支えてくれた伊織と遙のためにも、努力を誓いながら迎えたはずの新生活――その始まりは、突如として崩れ去る。 扉の先に広がっていたのは、見知らぬ異世界。そして、彼を取り囲む少女たち。 彼女たちは口々に言う。「本物だ」「成功した」と。 明かされたのは、あまりにも受け入れ難いな真実。 ――この世界において、東条鈴は古典小説の登場人物。 ――すなわち、彼こそがフィクションだった。 推しを現実に呼び出してしまった天才少女たちと、現実に帰りたい少年。 あるいは、伝説の大魔導士ヴィンダーダが観測した星と書き連ねた物語に魅せられたものだちのサクセスストーリーかもしれない。 少女は夢見た。『白月写本群』の主人公であるトウジョウ・スズがやがて全ての牢獄から己を救ってくれることを。愛してくれることを。 少女は孤独だった。生まれながらにして周りの魔力を無尽蔵に食らい尽くす魔力喰い。少女の一族の誰もが彼女にひれ伏した。誰一人として、対等ではなかった。 紙片に書かれた物語だけが、彼女を殺し、生かした。かけがえのない友を得て、全てが変わる。『白月写本群』第一編は、そのような話だった。 少女は戦場にいた。ひとり、またひとり。肩を並べ、共に食らい、生きていたものが、物言わぬ肉に変わる。それでも、物語の中では、とっくに忘れたはずの胸の高鳴りがまだそこにあった。『白月ノ物語』、魔法の存在しない世界で、恋に落ちる男女。それは『白月写本群』第二編の翻案だった。 やがて少女たちは、人生を変えたフィクションの主人公を望む。 試みが、滑稽な失敗談で幕を閉じるには、少女たちは賢すぎた。

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小説を読もう2026/03/07
  • 現在の作品俺を読んだ少女たちが、俺を呼んだ物語