あらすじ
血抜きは三度——一度目で表層、二度目で深層、三度目で繊維の間。それが、首都レフカの大市場で五年間叩き込まれた鉄則だった。
魔獣肉の解体助手ニナ。腕は一番だったのに、親方の引退と一緒にお払い箱。理由は「女に大市場は任せられない」。残ったのは、包丁と、指先で肉の品質を見抜く勘だけ。
行き場をなくしたニナは、路地裏に屋台を出す。装甲猪の端材、蒼牙狼の煮込み、そして誰も見向きしない棘背蜥蜴の尾根元から取り出した絶品の白身。安い素材から最高の味を引き出す、それだけが取り柄の屋台が、工房街の職人たちの胃袋を掴んでいく。
旨い安い早い。首都の路地裏で始まる、屋台起業グルメストーリー。
——この世界には、他にも物語があります——
『蒼の樹海の魔素使い——魔法が使えない少年は、世界の秘密を視ていた』(冒険ファンタジー)
『辺境ギルドの受付嬢ですが、冒険者の嘘は帳簿でぜんぶバレます』(日常ミステリ)
『鑑定チートの面倒くさがり、港街の贋作事件に巻き込まれる』(港街ミステリ)
ほか、同じ世界を舞台にした作品を展開中。どこから読んでも楽しめます。