あらすじ
農奴として生まれた少年ルカには、何もなかった。
土地に縛られ、人間として扱われない身分。スキルも、剣も、未来も。
ある夜、村を盗賊団が襲った。
逃げ道はなく、守るべき少女の手が震えている。
武器も力も持たないまま、それでもルカは前に立った。
その瞬間、視界に光る文字が浮かんだ。
〈エクストラスキル《リミットブレイク》を取得しました〉
〈警告:このスキルには取り返しのつかない代償があります〉
「警告」なんて、その時の僕には関係なかった。
マリィの手が震えていたから、それだけで十分だった。
《リミットブレイク》は、自分のレベルを代償に圧倒的な力を引き出す禁断のスキル。
使うたびにレベルが下がる。それだけでも十分すぎる代償のはずだった。
でも後に分かる。削られているのはレベルだけじゃないと。
身分制度の壁を力で打ち砕き、農奴の少年が成り上がっていく。
でも、戦うたびに少しずつ、ルカの「未来」が消えていく。
守るために戦うか。戦わずに生き残るか。
少年は、それでも前を向いて叫ぶ。