あらすじ
かつて人類は、科学の力によって繁栄の頂点に立っていた。
だが一人の科学者が生み出した巨大兵器――ゴーレムが世界を変えた。
人の形をした六十メートルの巨人は、都市を踏み潰し、軍隊を壊滅させた。
やがてその技術は世界中へと広まり、各国は対抗するために新たなゴーレムを作り出す。
ゴーレムを倒すためのゴーレム。
その連鎖は止まらず、世界は六度にわたる厄災戦争へと突入した。
文明は崩壊し、大地は焼け、かつての栄華は灰となる。
生き残った人々はその記憶を封印し、古代文明の存在を忘れたまま新しい世界を生きることを選んだ。
それから――三千年。
山奥の小さな村で暮らす少年、ロクス・ロイは、山中で朽ちた古代遺跡を発見する。
そこに埋もれていたのは、石と鉄に覆われた巨大な人型――古代ゴーレムだった。
興味本位で触れた瞬間、巨人は長い眠りから目覚める。
ロクスはまだ知らない。
自分がゴーレムを操る資質を持つ、ゴーレムテイマーであることを。
やがて村を野盗が襲撃する。
村人を守るため、ロクスは目覚めたゴーレム――《グライソン》に乗り込み、野盗を撃退する。
だが、三千年ぶりに動いたゴーレムの存在は、世界に大きな波紋を広げる。
王国は調査のため騎士団を村へ派遣を決め、独自に古代遺跡を調査していた研究者の女性、キュレダ・ガナスはロクスと出会う。
そして彼女は確信する。
この少年の存在こそが、封印された歴史――厄災戦争の真実へと繋がっていることを。
ゴーレムを恐れる王国。
その力を求める帝国。
禁忌として封印しようとする聖教連合。
そして利益を狙う自由都市同盟。
四大勢力が均衡する世界で、一体のゴーレムの目覚めが、静かに歴史を動かし始める。
これは、滅びた文明の遺産と向き合う少年と、世界に残された巨人たちの物語。
そして――七度目の厄災戦争へと繋がる物語である。