あらすじ
地上の光が届かない地下深く。 攻略済みとされた小迷宮【メルト】跡地――そこには誰にも知られていない黒ギルド【悪魔の魔導塔】の拠点があった。
その牢獄の奥に、一人の少年が閉じ込められていた。
名はエルネスタ・グランドール。
四歳の夜、謎の魔法によって攫われた彼は、それから四年間、回復薬の実験体として扱われ続けていた。 刃物で切り裂かれ、薬を浴びせられ、壊れては治される日々。 痛みも、恐怖も、叫びも、すべてが当たり前になった地獄の生活。
逃げることも、死ぬことすら許されない牢獄で、少年はただ一つの願いだけを胸に生き延びていた。
――誰か、助けて。
しかし、救いは突然訪れる。
ある日、牢の前に現れた一人の少年――ジャック。 彼によって鉄格子は破られ、エルネスタは四年ぶりに牢獄の外へ出ることになる。
だがその瞬間、ジャックは目撃する。
この少年が、躊躇なく自分の腕を切り落とす“狂気”を。
拷問と実験の果てに生まれた異常な回復力。 痛みを恐れない精神。 そして、世界を守ると誓う純粋な意志。
その資質を見抜いたジャックは、エルネスタをとあるギルドへと導く。
名は【英雄神話】。
未来を見通す団長。 最強と呼ばれる拳の戦士。 魔物を殺すことで力を得る少女。 そして、狂気を宿した白髪の少年。その他諸々。
迷宮と共に生き、迷宮に挑み、迷宮を制する者たち。
これは―― 地獄から這い上がった少年が、仲間と共に世界の運命へと踏み込んでいく物語。
狂気と希望が交差する、英雄譚が今、始まる。