あらすじ
2081年、日本。
少子高齢化という袋小路に立たされた国家が求めた救いは、皮肉にもその終焉を招くトリガーとなった。
巨大企業『アルケー(ARCHE)』が開発に成功した、人間の監督を一切必要としない人工超知能(ASI)。その圧倒的な効率性は、人類から「労働」という役割を奪い去り、数世紀続いてきた経済活動を根底から突き崩した。
2112年、日本崩壊。
税収を失い、政府機能が破綻した列島に対し、アルケーと諸外国が打ち出したのは狂気の救済策『日本再構築計画(ジャパン・リビルド・プロジェクト)』だった。
それは、築き上げた文明を一度すべて解体し、原始から歴史を歩み直させるという壮大な実験。高層ビルは崩され、都市は土に還り、人々は再び竪穴住居から立ち上がることを強いられた。
アルケーの冷徹な指導のもと、わずか100年で日本は1500年代相当の文明水準まで「再構築」され、その地は『和国(わこく)』と呼ばれるようになる。
しかし、基盤を整え終えたアルケーは、計画の完遂を待たずして突如として海外へ撤退。管理者を失った和国に残されたのは、中途半端に復元された中世の技術と、統一者を欠いた群雄割拠の荒野だった。
文明の残滓を抱きながら、日本は二度目の戦国時代へと突き進む――。