あらすじ
舞台は新橋の高架下。毒舌で強気な女性店主・マリアが営むジャズバーには、今日も「現代の病」を抱えた客が訪れる。
そんな彼らの「正解」を、マリアの言葉とジャズの旋律が容赦なく切り裂く。
完璧な人間なんて、この店には似合わない。
ブルーな気持ちをカッコよく。マリアがぶった斬る!
――― 以下、選考用あらすじ(ネタバレ)です ―――
【導入:新橋の隠れ家的なジャズバー】
新橋の高架下、『ジャズバー 黒のマリア』。店主のマリアは、ハーフの美貌と「姐御」な態度で客を圧倒する、自称・コミュ障の救世主。マネージャーのミタちゃんがレコードを回す中、今夜も迷える「コミュ障」達がやってくる。自由にしゃべるのが怖いヨータロー、理屈をこねすぎて自爆するイチノセ、サシスセソ会話術の裏で泣いているサトウ・・・。マリアは彼らの「口の封印」を力ずくで外させ、本音を叫ばせては「イタ弟子」として手なずけていく。
【展開:嵐の帰還と沈黙の母】
そんな店に、ある日「プロのバスケ選手かな?」と思うような黒人の大男、マリアの父・ジョージがひょっこり現れる。数年間の失踪から戻った彼は、カタコトの日本語でバーボンを勝手に飲み、空気を読まずに超絶技巧のピアノを弾きまくる自由人。彼の失踪がきっかけで、母・ヒナギクはショックから声を失い、マリアは「本音を暴く」という呪いのような情熱に囚われていたのだった。
【転換:それぞれの本音】
家族の修羅場に巻き込まれたのは、マリアに惚れ込んでいる弟子たちだった。特におバカキャラだと思われていたヨータローが、意外な英語力を発揮してジョージの「迷・通訳」として大活躍。ジョージが語る「自分を好きになる秘訣」や、破天荒な生き様の裏にある家族への愛が、ヨータローの言葉を通じて少しずつマリアに届き始める。マリアもまた、父への憎しみの裏にある「大好きだった」という幼い日の本音を認め、今さらながら自分の心を肯定する。
【結末:逆転の救済】
クライマックス、マリアに呼び出されて顔を出した母・ヒナギクが、ついにジョージと対峙する。渾身のビンタと共に、数年ぶりに絞り出した母の本音。さらに、ヨータローのどさくさ紛れのプロポーズ(?)も飛び出し、物語はドタバタと感動が入り混じったフィナーレへ。 「助けられたのはアタシの方だったよ」。 他人の本音を暴いてきたマリアが、最後に見つけた自分自身の素顔。朝日が差す新橋で、ヨータローとマリアは手を取り合って歩き出す。