あらすじ
「聖女の力などない。今すぐ出ていけ」
十年間、朝から晩まで神殿で掃除をし続けてきた修道女ルナ。
婚約者にも捨てられ、着の身着のままで追放された彼女を拾ったのは、
人間界が最も恐れる魔王・カイゼルだった。
「賄い方として置いてやる。掃除だけしていろ」
言われた通りに掃除・料理・洗濯を全力でこなすルナ。
しかし彼女が廊下を磨くたびに魔族が覚醒し、料理を作るたびに軍が最強化し、
庭を整えるたびに国境の結界が鉄壁になっていく。
本人だけが、全く気づいていない。
一方で神殿の結界はルナを失ってから崩壊が始まり、
元婚約者は商売が次々と失敗して没落の一途。
「お前は……一体、何者なんだ」
戸惑うカイゼル様の目には、いつしか庇護の炎が灯っていた。