あらすじ
「……クソッ、見てろよ。いつか絶対に見返してやる!」
そんな、なろう小説の読みすぎみたいな捨て台詞を吐いてパーティを去っていった魔法使いのアルス。
ぶっちゃけ、あいつは弱かった。魔力は平均以下、根性もなし。パーティの足を引っ張るだけの彼を追放したのは、至極真っ当な判断だったはずだ。
だが、異世界転生者である俺、高校生のミナトは知っている。
追放された奴が「実は最強の隠しスキル持ちでした」と覚醒し、かつての仲間をボコボコにする……そんな『追放ざまぁ』のテンプレートを。
「あいつもそれを狙ってるんだな。……顔に出すぎなんだよ」
案の定、街の片隅で「ククク……力が溢れてくる……!」と痛々しい独り言を呟きながら、全く上達しない剣を振るうアルス。
怪しげな露店で掴まされた偽の聖遺物を大事そうに抱え、俺たちへの復讐を誓うその姿は、あまりにも滑稽で、あまりにも「可哀想」だった。
「追放された俺が実は最強だった」……なんて展開、現実(ここ)にあるわけないだろ。
これは、勘違いした元仲間が勝手に自滅していく様子を、特等席から憐れみの目で見守るだけの、ある意味で残酷な物語。
「頑張れアルス。お前の『ざまぁ』、楽しみにしてるよ(笑)」