あらすじ
田村由理には厄介な大学生の兄・空(そら)と幼なじみの広尚がいる。何が厄介なのかというと、空と広尚は小さい頃から互いに惚れ合っていると言うこと。それは長年一緒にいれば嫌でも察することだ。
両思いなのに、匂わせ上等! なのにふたりとも自分の秘めたる気持ちをズバリ告白しない。どちらも幼なじみというポジションを失いたくないからーーましてや同性同士だ、という理由ではあるが、それに迷惑をかけられているのが由理だ。
だが、正月。酔った勢いで空と広尚は互いに告白する。今まで進展がなかったところでの急展開だ。酒の力を借りた空と広尚だったが、両思いということはその場にいた親を含めた全員が知っていることだった。
晴れてカップルとなり、ふたりきりでデートしたい! と思う空と広尚。
でもふたりきりだとお互いを意識しすぎて言葉もまともに交わせない!? そこで仲介役として同席させられる由理と彼氏の真人。
そんなヘタレな理由で、今日も兄たちとともに出かける。いわゆるダブルデートみたいだけど、これって普通はお邪魔虫じゃないの? こっちだっていつまでも兄と幼なじみの保護者なわけじゃない。いい大人の男が妹とダブルデートじゃなければ相手と話しもできなくなるなんて、意識しすぎじゃないだろうか。
「キスとか……緊張するだろ」
「ハグなんて……できるかよ」
どんだけうぶなんだよ、兄貴たち。普段は女子からキャーキャー言われるレベルのイケメンじゃないのか?
由理が一緒にいるときは、饒舌にキザな文句で互いを口説きまくってると言うのに……。
さらに、もうひとつの理由。
「俺は攻だ」ーー
どちらもお互いを口説きまくっているくせにうまくいかないのは、攻×攻だからなのでは? そのせいか互いに譲りはしない。
攻×攻。
空も広尚もともにスパダリ属性。実家も裕福だ。これが女子だったらきっとイチコロ。それなのにふたりはお互いしか見ていない。女からしてみれば失礼極まりない。
「どんな女よりお前が輝いている」
「女よりお前と一緒にいたい」
「……それ、私らいないところで言ってくれない? 気まずいわ」
そんなこんなで空と広尚のデートには、必ず由理も真人とともに同伴させられてーー。
お兄ちゃん、いい加減妹場離れして? そうは思うがここまで来たら、兄と幼なじみが進展するところは見たい。野次馬根性だけど、ふたりの関係性はいつも停滞中。さっさと発展しろ! 恋人同士でイチャコラして、爆発しろ! 由理と真人が歯がゆい思いをする中、果たして空と広尚は素直になれるのか?
季節は巡り巡る。兄たちと過ごすひととせ。
肉親の恋バナなんて生々しくて聞きたくない! 兄貴の恋愛事情なんて知ったこっちゃない! ……とは言え気になっちゃうのも本音だけど。
妹たちに頼りっきりの空と広尚の思いは、互いに伝えあえるのかーー?