あらすじ
勇者になんて、なれるわけがないと思っていた。
偏差値、模試、塾の宿題。灰色の日常を生きる僕の右手が、ある夜、金色に輝き出す——。
これは、おとぎ話の力で現実(ダンジョン)を攻略する少年の物語。
2030年、東京。高校2年の桐谷蒼太は、父を過労で亡くし、母の期待を一身に背負う受験生。かつて夢中になったおとぎ話の勇者には、もうなれないと知っている。
だが、限界を超えたある夜——蒼太の右手から、金色の光が溢れ出す。
それは、子供の頃に読んだ『勇者エルドの冒険』に登場する魔法そのものだった。
【叡智の瞳】で数式の構造が見える。【聖盾】で大切な人を守れる。現実世界に発現した、おとぎ話のスキル。成績は上がり、仲間もできた。
しかしその裏側では、東京を侵す「闇」——侵食体が目覚め始めていた。
受験と魔法。日常と戦い。光と闇。
すべてを背負い込んだ少年は、一度折れ、すべてを失いかけ——それでも立ち上がる。
怖くても前に進む。それが勇気だ。
これは、現実世界で「勇者」になろうとした、一人の少年の物語。