あらすじ
「魔力なしの欠陥品め。聖女の妹の足元にも及ばないお前など、この国にいらん!」
公爵令嬢エルゼは、実の家族と婚約者からそう罵られ、魔物蠢く辺境へ追放された。
だが、彼らは致命的な勘違いをしていた。
エルゼが「無能」に見えたのは、彼女が【精霊の処方箋】という禁忌の力で、国中の呪いや汚れを一人で飲み込み、肩代わりしていたからだったのだ。
エルゼが国を去った瞬間、彼女が抑えていた「数百年分の呪い」が王都に溢れ出し、精霊たちは一斉に牙を向く。
一方、ボロボロになりながら隣国へ辿り着いたエルゼを拾ったのは、呪いで「死の眠り」についていたはずの孤高の皇帝・ジークハルトだった。
「……死に損ないの俺に、何の用だ」
「陛下、それは呪いではありません。ただの『精霊の食べ過ぎ』です。はい、特製のキャンディ(処方箋)をどうぞ」
エルゼが手作りの飴を一粒口に放り込むと、数年解けなかった呪いがあっさりと消滅。
本来の力を取り戻した皇帝は、自分を救った「小さな神医」を離すまいと、執着気味に溺愛し始める。
「君を捨てた奴らが、国を返せと泣き叫んでいるらしいが……。そんなゴミ、捨てておけ。これからは私の妃として、世界で一番甘やかしてやる」
精霊の加護を失い、自業自得な破滅へと向かう元婚約者たち。
彼らが「戻ってきてくれ!」と絶叫しても、もう遅い。
最強の皇帝陛下に甘やかされすぎて、もう元の生活には戻れませんから!