あらすじ
何もできない聖女――そう言われて、私は帝国を追放されました。
クリミア帝国で「聖女」に選ばれた伯爵令嬢フローレンス・フィレンツェ。
しかし彼女は最初から言っていた。
「私、何もできませんし、何もしませんよ?」
奇跡を起こすことも、魔法を使うこともできない。
それでも「いずれ覚醒する」と期待され、帝国第一皇子の婚約者となるが――半年後、炎と水の魔法を使う新たな聖女が現れ、フローレンスは“偽聖女”として婚約破棄と追放を言い渡されてしまう。
「では、行ってきますわ。次は“何もしなくていい仕事”を探しますので」
追放された彼女を拾ったのは、隣国トスカーナの第二王子フェルディナンド。
そこでフローレンスは、“何もしない聖女”として穏やかな生活を始める。
紅茶を飲んで、お昼寝をして、のんびり過ごすだけ――
なのに不思議なことに、
国王の病が治り、
土地は豊かになり、
人々の心は癒されていく。
実はフローレンスは、
「そこにいるだけで世界を癒す」奇跡の聖女だったのだ。
一方、彼女を追放した帝国では、作物は枯れ、疫病が広がり、ついには皇子までもが倒れてしまう。
そして人々はようやく気づく。
――本当の奇跡は、あの“何もしない聖女”だったのだと。
これは、追放された少女が
「何もしないまま」世界を救ってしまう物語。
のんびり紅茶を飲みながら始まる、
癒しと後悔のざまぁファンタジー。