あらすじ

百年前、星鯨と呼ばれる大量の巨大隕石が地球に落下した。地球は急速に寒冷化し人類の九割以上は死滅する。凍り付いた世界で生き残った人々は、星鯨から採取できる星鯨油等の資源を利用し細々と命を繋いでいた。人々は星鯨を中心に町を作り、まるで鯨骨生物群集のように身を寄せ合って暮らしている。  17歳のキフネはゼゼの町の自警団に所属する少年。ゼゼ町長の娘ニノセとは同い年の幼馴染である。ある日、ニノセが病身の町長を代理し、包括協定を更新するために大都市ヒラカタへ向かうことになった。キフネはニノセの護衛でそれに同行する。二人はヒラカタへと向かう汽車で同い年の不思議な少女リュウカと出会う。リュウカはヒラカタの街の神でありバーチャルアイドルでもある『りゅうせい』とそっくりの美貌を持つ麗人、自分はオゴトから来た星鯱賊の娘だと告げる。星鯱賊は星鯨を持たない流浪の民で、オゴトを拠点として、ゼゼなど周辺の町から略奪を繰り返したため忌み嫌われている。ゼゼとオゴトは仇敵同士ではあるが、危うい魅力を持つリュウカにキフネとニノセは魅了されてしまう。  ニノセはヒラカタとの包括協定の場で、突然不平等な条件を突きつけられたため激怒して席を立つ。帰りの汽車でも星鯱賊の娘リュウカと一緒になるが、それはゼゼの町長の娘であるニノセを誘拐するためのリュウカの策略であった。リュウカがゼゼに要求する条件は、オゴトに鯨油とコメを適正価格で売ること。つまり、星鯱賊が過去に行った略奪行為によるわだかまりを水に流し、両者の公平な商取引を求めるものであった。それはヒラカタから搾取されているゼゼとしても、実利の面では歓迎すべきものである。無事に話がまとまりかけたその時、遠くゼゼの町に火の手が上がっているのが見える。そして、町の入り口の門にはヒラカタの旗が掲げられ、無残な姿になった町長が逆さまに吊るされていたのであった。    凍てついた終末世界で少年少女がそれぞれの町の運命を背負い闘う。革命前夜に降る雪は白い。

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カクヨム2026/03/05
  • 現在の作品星鯨同盟