あらすじ
吉原大門の落とす陰には悪鬼が棲むという。
吉原の遊女達を閉じ込める象徴の大門。
毎夜の春をひさぐ女達の哀しみと怨念は、渦巻く波となって毎夜吉原大門に向かって怒濤の如く押し寄せる。
しかし大門に棲む悪鬼はその渦巻く波を悉く跳ね返すのだ。
そして跳ね返された渦巻く波は再び濁流となって吉原の中之町に流れ込んで行く。
その渦巻く波と悪鬼が棲む吉原大門を楼閣の二階からいつも眺めている一人の遊女が居た。
本編の主人公、松ノ尾太夫である。
彼女が吉原に売られてきたいきさつとは?
どのようにして太夫の地位まで登り詰めたのか?
当時の吉原のしきたりや文化、そして吉原で生きる遊女達の様々な運命と共に、力強くしなやかに生きていく松ノ尾の姿を描き出します。