あらすじ
閉鎖的な村の中で祀られている「白い玉」様をめぐる、五百年の宿業の物語。
八咫(やあた)の村では村人達により、持ち回りで白い玉様への参拝が定められていたが、参拝方法には細かな手順と取り決めがあり、それを遵守できない者には参拝が禁じられ、かつ参拝を成し得ない者は被差別的な扱いをうけていた。八咫もその一人だった。同じく、耳が不自由で参拝が不可能であるために村の「西の端」に追いやられていた友人、食国(おすくに)と八咫は、密かに村外に出ては少年らしい日々を過ごしていたが、ある日手傷を追った一人の男を村はずれの川で助けた事から、二人を含む村の少年達の運命の歯車が動き出す事になる。
一方、村長の継嗣である熊掌(ゆうひ)もまた、村そのものや長である父に対する疑念を抱え続けていた。そして何よりも自身が抱える秘密に対し、密かに鬱屈したものを抱え過ごしていた。
そんなある日、村を訪れた商人と長が密かに話しているところに八咫と熊掌は遭遇してしまう。
商人曰く、残党と接触した者があれば、諸共首を落とせ――と。
物語の結末に、読者の皆様の天地がひっくり返る事をお約束致します。