あらすじ

人間嫌いの高校生・東隆一は、家庭環境への失望から「生きている人間」を信用せず、感情を閉ざして生きていた。ある日、美術の授業中に負った怪我をきっかけに保健室を訪れ、そこで死人のように青白い少女・心目静香と出会う。眉にかかる前髪と長い黒髪を持つ彼女は、無口で儚く、どこか生気に乏しい存在だった。隆一はそんな彼女に強く惹かれながらも、相手が“生きている人間”であることに戸惑いを覚える。 その後も怪我の手当てを理由に保健室へ通ううち、二人は言葉少なに同じ時間を共有するようになる。会話はほとんどない。だが、沈黙の中で交わされる視線や、不器用な気遣いが、少しずつ互いの心に変化をもたらしていく。原因不明の病を抱え、周囲から距離を置かれている静香と、人を遠ざけて生きてきた隆一。孤独を抱えた二人が保健室という小さな空間で重ねる静かな時間は、やがて灰色だった世界にわずかな色を差し込ませていく。 言葉にならない想いと、触れられない距離。 これは、物言わぬ少女と人間嫌いの少年が紡ぐ、静かで儚い恋の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/03/05
  • 現在の作品物言わぬ君と愛した僕