あらすじ
「湊音(みなと)は別に好きじゃない。私は『湖晴(こはる)』のファンなだけだから」
無機質な病室。孤独な私を救ってくれたのは、幼なじみの湊音が笑って踊ってくれたから。
月日は流れ、彼はトップアイドル『湊月湖晴』として、世界中の光を浴びている。
私は、彼がアイドルとして輝き続けるために、自分の恋心を封印した。
額に残った、かつて彼を助けた時にできた「消えない傷」。
それが二人の絆だと分かっているからこそ、私は「ただのファン」を完璧に演じ続けると決めたのだ。
けれど、湊音は諦めない。
「いつか俺が引退したら、その時一緒になろう。だから、誰のものにもならないで」
執着にも似た一途な想いをぶつけてくる彼に、私の理性は限界寸前。
彼の人気は絶頂を迎える。――そんな中、グループの解散が発表される。
運命の引退ライブ当日。
予期せぬ病状の悪化で、緊急手術が決まった私。
ステージに向かう直前の彼が、病室へと駆けつけて言い放った言葉は……。
これは、世界で一番遠くて近い、二人の「最高のファンサ」に至るまでの物語。