あらすじ

午前7時40分。 まだ誰もいないはずの教室には、いつも決まって先客がいる。 隣の席の女の子、瀬戸(せと)さんだ。 「……うう、やっぱりここ、わかんないなぁ」 彼女は、お世辞にも勉強が得意とは言えない。 けれど、ノートが真っ黒になるまでペンを動かす、誰よりもひたむきな努力家だ。 窓から差し込む柔らかな朝日。 静まり返った教室内で響く、二人の筆記音と、控えめな話し声。 「ここ、こう解くんだよ」 「あ……! そっか、わかった! ありがと、君って教えるの上手だね」 至近距離で弾ける、彼女の無防備な笑顔。 教科書を覗き込むたび、ふわりと広がるシャンプーの香り。 勉強を教え、教えられるだけの関係。 ……のはずなのに、僕の心臓の音は、静かな教室でやけに大きく響いてしまう。 これは、不器用な彼女と僕が綴る、始業前までの二十分間の恋物語。

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カクヨム
カクヨム2026/03/05
  • 現在の作品朝の教室、君の隣。