あらすじ
ある日突然、クラスまるごと剣と魔法の異世界へ召喚された高校生・アキト。
クラスメイトたちが「聖剣」「大賢者」「神速」といったチート戦闘スキルを次々と授かる中、アキトに与えられたのは、ただ物を出し入れするだけの非戦闘スキル『無限収納(アイテムボックス)』だった。
「お前はただの荷物持ちだ」
「足手まといだから、後ろで震えてろよ」
絶大な力を手に入れて増長する「最強」の同級生たちに嘲笑われ、最前線から見捨てられたアキト。しかし、彼は絶望するどころか、安全な街の片隅で一人ほくそ笑んでいた。
「こいつら、チートスキルに浮かれて一番大事なことを忘れている。――『兵站(へいたん)』を握られていない軍隊など、ただの烏合の衆だということを」
アキトは『無限収納』の真の価値に気づく。
容量無制限、時間経過(劣化)ゼロ、そして「市場の物資をノーリスクで密かに買い占め、隠匿できる」という事実。彼はダンジョンへ向かう同級生たちを尻目に、市場の回復薬(ポーション)、武器の修繕素材、保存食など、冒険に不可欠な物資を次々と買い占め、独占していく。
数週間後。
調子に乗って高難易度ダンジョンへ突撃し、ボロボロに消耗しきった同級生たちが命からがら街へ逃げ帰ってくる。しかし、市場から回復薬や食料は完全に消え去っていた。
絶望する彼らの前に現れたのは、異世界の全物資を掌握し、冷徹な商人へと成り上がったアキトだった。
「ポーションが欲しい? いいよ、市価の10倍だ。カネがないなら……その手に入れたレア装備、担保として預かろうか?」
武力はゼロ、されど財力と物資は無限大。
これは、戦闘力最弱の少年が安全圏から一歩も動かず、己の力に溺れた最強の勇者たちを『カネと流通の力』で文字通り「飼い犬」へと変えていく、痛快・下剋上ファンタジー!