あらすじ
「お前のことが好きだった。来世では、結婚してくれ」
聖女マリアベルの罠に嵌まり、処刑台に消えた悪役令息ノアク。その言葉は、自分を殺す女に一生消えない「毒」を塗るための、最高に惨めで甘い嘘だった。
だが、ノアクには確信があった。禁忌の転生術を使い、自分を追い続けてくる本物の愛──悪役令嬢エレオノーラの存在を。
――それから一千年。
十度の転生を経て、あらゆる時代で愛を育み、魂を一つにした二人は、ついに始まりの場所へと帰還する。
転生したノア(19歳)の前に現れたのは、かつての嘘を信じ、二十年もの間「初恋の再来」を待ち続けて老い始めた聖女マリアベル(35歳)だった。
「ノア様! 私を迎えに来てくれたのね!」
縋り付く聖女を、ノアは冷たく突き放す。
「どちら様ですか、叔母さん。俺の妻は、エレナだけだ」
二人の愛を際立たせるための「メイド」に堕ちた聖女。一千年の純愛による、残酷で甘美な復讐劇が幕を開ける。