あらすじ
「魔獣と喋るなんて不気味だ。お前のような無能は、今日限りで婚約破棄だ!」
魔獣素材店で働く地味な調教師のエマは、雨の中、店を追い出される。
しかし、店主は知らなかった。エマの「世間話」こそが、凶暴な魔獣たちの殺意を抑える唯一の重石だったことを。エマが去った直後、店は大暴走した魔獣たちに食い荒らされ、一晩で瓦礫の山と化した。
行き場を失ったエマを拾ったのは、魔獣討伐騎士団の団長・アルドルフ。
彼は、魔獣との凄惨な戦いで部下たちが次々と命を落とす現状に絶望し、心を摩耗させていた。
そこへ現れたエマが、騎士団を壊滅させかけた巨大な魔獣の鼻先を撫でて一言。
「めっ、ですよ。みんな怖がってるから、おとなしくしてて?」
――一瞬で魔獣の殺気が消え、大型犬のように甘え始める。
「……は? 僕らが命を懸けて戦っていた災厄を、君は撫でて『無害化』したのか……?」
団長は確信する。彼女こそが、騎士団を救う唯一の女神だと。
「君を絶対に離さない。僕の隣で、ただ笑っていてくれ。報酬は望むままだ」
最初は「ビジネスパートナー」だったはずが、純粋なエマに団長の独占欲が暴走し始め、いつの間にか過保護に溺愛されることに!?
一方、店を失い「戻ってくれ」と泣きつく元婚約者。だがエマの隣には、彼女を離す気など微塵もない、最強の団長が冷徹な瞳で立ち塞がっていた。