あらすじ
王太子による突然の婚約破棄と、公爵令嬢たる身分の剥奪宣言。
きらびやかな夜会は一転して、嫉妬に狂った「悪役令嬢」を断罪する狂騒の舞台へと変わった。
絶対的な権力と理不尽の濁流の前に、令嬢がすべてを諦め、ただ絶望を受け入れようと立ち尽くしていたその時――。
「あ、それムリっすねー。ちゃんと裁判で手続き進めないとダメな案件なんで」
張り詰めた空気をいとも容易く引き裂いたのは、数世代前のくたびれたドレスを着た、一人の貧乏貴族の少女だった。
彼女が王太子に突きつけたのは、愛でも正義でもなく、法治国家としての絶対のルールたる『手続き』。
「申請書が提出されていない」「口頭での身分剥奪はただの私刑」
眠たげな目で放たれる圧倒的な正論と事務的な事実の前に、王太子の振りかざした正義はへし折られ、出来の悪い三文芝居はただの「書類不備」へと成り下がる。
※本作はカクヨム様・小説家になろう様にて重複投稿しています。