あらすじ

夜の市役所。自動発券機には、住民票や戸籍の隣に「鬼籍」という見慣れないボタンがあった。押した瞬間に吐き出された番号札には《キ》の文字だけ、番号欄は空白のまま。待合の誰も驚かない。壁には《鬼籍取扱規程(抜粋)》――未登録者は行政手続き上「不存在」として扱う、と淡々と掲示されている。更新期限は月末二十七時五十九分。朱肉に指を置いたとき、私は“存在”を守るために、別の名で呼ばれ始める。 番号札《キ-0》は、私の名前より先に呼ばれた。

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エブリスタ2026/03/02
  • 現在の作品番号札《キ-0》