あらすじ

三世紀、三国時代の中国・建業。 詐欺師として投獄されていた男・李達(李宗)は、ある日突然「倭国へ渡らぬか」と持ちかけられる。匈奴式の**十進法編制**を知る兵法の才を見込まれ、東方の島国で女王に仕える将軍となる役目を与えられたのだ。 男は新たな名を名乗る。 李宗。漢の名将李広の末裔を自称するその名は、半ば虚構、半ば野心であった。 わずか三艘の船と四十三人の兵。 呉の思惑は「成功すれば儲けもの」という程度の小さな遠征にすぎない。しかし李宗はそれを機会と見る。牢を出て海を渡れば、運命は変えられる。 通訳兼腹心となる商人出身の陳壁とともに荒海を越え、対馬を経て九州へ上陸。 そこで彼は、女王卑弥呼が治める邪馬台国と対面する。 連合は南の狗奴国との対立、そして女王の老いによる後継問題を抱え、内部は揺らいでいた。李宗は演練を見て、兵の未熟さと同時に可能性を見抜く。 彼は宣言する。 ・三ヶ月で戦える軍にする。 ・まず狗奴国を退け、三年後を見据えて力を蓄える。 卑弥呼は彼の出自を疑いながらも問わない。「ここでは結果のみを問う」と告げ、三百の兵を預ける。 こうして詐欺師は将軍となる。 だが李宗の胸中には、単なる客将として仕える以上の思考が芽生え始めていた。 米と水に恵まれ、資源豊かなこの島。 訓練されていない兵。 揺らぐ権威。 「治める価値がある」

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/03/05
  • 現在の作品東海帝国史 〜詐欺師が皇帝になるまで〜